子どもの頃、次の日が遠足や運動会などの時「雨を降らさないで!」という願いを込めて、てるてる坊主を作ったことはありませんか?
今では、天気予報の性能が上がり、週間予報も外れることが少なくなってきましたし、翌日のお天気ならピタリと当たる確率が相当上がりました。
とはいえ、お守りとして「てるてる坊主」を作ってみるのも良いかもしれませんよ!
今回はてるてる坊主の作り方や子どもでもできる作り方を紹介していきたいと思います!
てるてる坊主とは?
「てるてる坊主の由来」は、意外なことに中国の風習にあります。
昔の中国では「掃晴娘(そうちんにゃん)」と呼ばれる紙人形を吊して、「晴天を祈る風習」があったそうです。
その人形は、頭を白い紙で、着物を青色と緑色などで作り、植物を束ねて作ったほうきを持った娘の姿をしていました。
その娘の姿は、神のお告げを受けて長雨で水没寸前の町を救った「晴娘(ちんにゃん)」という娘と重なりました。
自分の命を犠牲にすることで救ったため、晴娘の供養も兼ねて吊されたそうです。
晴娘の持つほうきには、雨雲を掃き払い「晴の気=風水」を引き寄せる力があると信じられていました。
それが「てるてる坊主」になったのは、日本に伝わってからになります。
江戸時代(文政13年頃)の書物「嬉遊笑覧(きゆうしょうらん)」の中に、「中国の「掃晴娘」がてるてる坊主に変化したのではないだろうか」と書かれていて、「晴天になったら目を描き入れ、御神酒(おみき)を供えて感謝しながら川に流す」と書かれているそうです。
日本で「てるてる坊主」と名前が変化したのは「僧侶には人の力を超えた力(法力)があったと信じられていたこと」が始まりの様です。
晴天を祈祷する僧侶を「照る照る法師(てるてるほうし)」や「てれてれ坊主」、または、「日和(ひより)坊主」と呼んでいました。
その僧侶をかたどった人形を、「晴天の願掛け」として、軒先や庇(ひさし)に吊す様になったそうです。
始めの頃の「てるてる坊主」には、白い着物を着せただけで目や鼻がありませんでしたが、願いが叶って晴天になった時だけ目を描き入れた様です。
☆てるてる坊主の怖い説
ある日、法力のある僧侶が、殿様から晴天の祈祷を頼まれました。
「何日も降り続く雨を晴天にせよ」との命令が下り、その僧侶は一心不乱にお経を読み続けました。
しかし雨は翌日も止まず、怒った殿様がその僧侶の首をはねました。
それどころか殿様は家来に命じて、僧侶の首を白い布に包んで吊したそうです。
すると不思議なことに、翌日は晴天となりました。
これが、「てるてる坊主」の始まりということです。
※この説は「てるてる坊主」の歌にも通じるところがあり、「そなたの首を チョンと切るぞ」という「晴天にできないと首をはねられる」ことを3番では歌っています。
子どもでも簡単に作れる方法!
子ども達にも簡単に作れる「てるてる坊主」の作り方を紹介しましょう!
折り紙編
①梅雨「てるてる坊主」折り紙Rainy season”paper doll for fine weather”origami
「てるてる坊主」の顔になる部分は、3分の1弱の様に見えていますが、この幅を細く取るか太く取るかで、その表情が変わって面白いかもしれませんね。
②折り紙「てるてる坊主」の折り方 How to fold a Savior “paper doll for fine weather”
「てるてる坊主」の顔の下部分になる折り方が少し難しいかもしれませんが、折っていく内に自然に立ち上がってくる様にも見えます。
流れに任せて折る様にすれば、上手くいきそうですね!
ティッシュペーパー編
①簡単で、可愛い「てるてる坊主」を作ろう
・準備するもの
・ティッシュ
・セロテープ
・針
・リボンやモール
・作り方
1.丸めたティッシュをセロテープで巻きます
2.二重にして玉止めした糸を針に通し、
セロテープの下から通します※ この糸の部分が
吊るすための輪になるので、
必ず二重にしておきましょう♫3.針をひっぱって糸を通します
4.1枚のティッシュをとり、
真ん中に針を刺し糸を通し、
糸の先端を切って結んでおきます※はさみには気をつけてね
5.首の部分をリボンなどで結びます
(ピンクや黄色など
明るい色や水玉模様のリボンにすると
かわいいです!!)6.不揃いな裾(すそ)を
きれいに切りそろえれば完成です!
ティッシュペーパーを丸める時から、頭の形を整えているのが分かります。
この時点で、きれいな頭の形が作れていれば、頭を包むティッシュペーパーがきれいに見えますね!
ポイントは頭をティッシュペーパーで包む前に、頭のてっぺんに吊すための糸を通して、頭を包むティッシュペーパーにも通すところです。
頭のてっぺんに糸を通すことで、全体のバランスを考えることがなくなります。
②ティッシュペーパーの「てるてる坊主」
材料
- ティッシュペーパー
- 輪ゴム
- ひも
道具
- ペン
- はさみ
・作り方
(1)ティッシュペーパーを丸めます。
1~2枚をクシャクシャっと丸めてください。
(2)ティッシューペーパーを被せて輪ゴムでとめます。
ティッシュペーパーは1枚で大丈夫です。
輪ゴムを複数回巻きつけてとめてください。
(3)顔を描きます。
サインペンやマジックなどで顔を描きます。
(4)ひもを取り付けます。
ひもを輪ゴムに結びつけるようにします。
(5)完成です。
窓際に吊るしましょう!
ちなみに、逆さまに吊るすと雨が降りますよ!
こちらのてるてる坊主は、気を使わずに作れるところが良いですね!
ティッシュペーパーに、適当に丸めたティッシュペーパーを包んだだけの簡単てるてる坊主です。
飾り気のない昔ながらのてるてる坊主を思わせます。
・・・というわけで、注意するところを強いて上げるなら、強く縛ったり、引っ張ったりするなど、乱暴に扱うと破れてしまうところでしょう。
着物が短いので、バランスが良くないかもしれません。
軒先などに吊す場合は、頭の後ろでひもを固定すれば、安定しそうです。
できあがったてるてる坊主をそのまま飾りたい場合は、室内の壁際など、逆さまにならない場所を探してくださいね。
キッチンペーパー編
①キッチンペーパーで作る一般的な「てるてる坊主」
用意するもの
- キッチンペーパー
- サランラップ
- ゴムバンド
- セロハンテープ
- ビニールひも
- マジックペン
- 付箋(ふせん)
- 洗濯バサミ
・作り方
(1)サランラップを丸めて頭の中身をつくる
(2)キッチンペーパーに顔を描きましょう♪
(3)頭を包んであげましょう
(4)ビニールひもを取り付けます
(5)付箋(ふせん)で首元をカラフルに
(6)プロポーションを整えます
(7)ビニール紐に洗濯バサミを取り付けます
食品ラップで頭を作ると、軟らかくてフワフワにできあがるので、形の良い頭にするのが難しいかもしれません。
そこで、頭を形良く作るにはティッシュペーパーの方が向いているかもしれません。
キッチンペーパーの中心よりも少し下に頭を包むのは、できあがりの頭のバランスが良くなるためです。
頭が重いと逆さになってしまうので、着物部分(首から下)は長い方が安定します。
②キッチンペーパーを使って、自分だけの「てるてる坊主」を作ろう
準備するもの
- 紙粘土
- キッチンペーパー
- ひも
- マジック
・作り方
(1)紙粘土で、てるてる坊主の頭を形作ります。
(2)キッチンペーパーで紙粘土の頭をおおい、首をひもで 結びます。
(3)顔を書くと、できあがり!
※ 紙粘土がないときは新聞紙でも代用がききます。
※ ボンドをといた水を薄くつけると、硬いてるてる坊主ができますよ!
「紙粘土がなければ新聞紙」と書いてありますが、キッチンペーパーで包んだ時に透け感があるかもしれないと感じました。
新聞紙の「核」は小さめに作って、キッチンペーパーなどを重ね貼りして、頭の大きさを調整しましょう!
頭を固く作った場合は、その分頭が重くなります。
着物の部分を長くするか、頭の裏でひもを固定するなどの調整をしてみましょう♪
はぎれ編
①はぎれで作る「てるてる坊主」(ティッシュペーパーで作る)
準備するもの
- 布(はぎれやハンカチなど)
- リボン
- ティッシュまたは綿
- 針、糸
- はさみ
- ひも、フエルト など
・作り方
(1)正方形の布を準備します。
サイズはお好みですが、今回ガイドは約30×30センチ準備しました。
ティッシュを数枚合わせてしっかり丸め、頭部を作ります。
このサイズの布で、頭部の直径は約4~5センチ。
ピンポン玉より、ひと回り大きい感じです。
(2)ティッシュで作った頭部を布の中央に置き(手順1の画像)、画像のように布でしっかりと包み込みます。
ある程度形を整え、首の部分にリボンを数回巻いて結びます。
(3)目と口を油性マジックで書きます。
(4)頭部の中央に、吊るす時のひもをつけます。
刺しゅう糸など、針に通る太さのひもの場合は、画像のように頭部に針を使ってひもを通します。
(5)針の穴に通らない太目のひもを利用する場合は、ひもを画像のように縫い留めます。
(6)できあがり
※参考画像は出典元に掲載されています。
縫わずに作ることが出来るので、お子さん、または親子で作る際に向いています。
②はぎれで作る「てるてる坊主」(綿で作る)
準備するもの
- 布(はぎれやハンカチなど)
- リボン
- ティッシュまたは綿
- 針、糸
- はさみ
- ひも、フエルト など
・作り方
(1)正方形の布を準備します。
次に布の裏側の中央に、頭部となる円を下書きします。
画像はチーズの空き箱を利用して、円を描いているところです。
布のサイズはお好みですが、ガイドは約30×30センチ使用。
円は直径約11センチです。
(2)下書きした線にそって、なみ縫いします。
あとで糸を引っ張って絞るので、縫い終わりは結ばずに、針と糸はそのままにしておきます。
縫い目も粗い方が絞りやすいです(5~7ミリほど)。
(3)円を全て縫い終われば、糸を少し引っぱって、綿を詰めていきます。
(4)形を整えながら綿をしっかりと詰めます。全て詰め終われば糸をさらに引っ張り、ほどけてこないように、画像のように縫い留めます。
(3)目と口を油性マジックで書きます。
(4)頭部の中央に、吊るす時のひもをつけます。
刺しゅう糸など、針に通る太さのひもの場合は、画像のように頭部に針を使ってひもを通します。
(5)針の穴に通らない太目のひもを利用する場合は、ひもを画像のように縫い留めます。
(6)できあがり
この2つの方法を使えば、色とりどりの吊すなんて勿体ないくらい可愛いてるてる坊主ができあがります!
サイズ通りに作れば、誰にでも簡単に作ることができそうですね。
「綿で作るタイプ」は、始めに糸を絞っておき、袋状にしてから詰めていくと詰めやすいです。
綿なので形を整えやすく、きれいに仕上がります。
どちらもはぎれで作るので、柄や模様が入っている場合が多いと思います。
できあがったてるてる坊主は、昔ながらのものとは違う印象になり、お部屋の中に飾っても充分可愛いと思いますよ♪
作る際の注意点
てるてる坊主の重心は下(着物)
頭が大きすぎたり、着物が短すぎたりすると「逆さてるてる坊主」になってしまいます。
どうしても逆さになる時は、頭の後ろでひもを固定するか、頭のてっぺんからひもを出す様に作ってみましょう。
吊すのは前の日
晴天になって欲しい前の日に吊しましょう!
どんなに待ち遠しくても、数日前から吊すものではないそうなので、前日まで我慢です!
てるてる坊主の顔は描かない(1)
本来は何も描かずに吊して、願いが叶ったら(晴天になったら)描き入れます。
何も描かないのは寂しいと思う人は、だるまの様に「左目」だけを残しておきましょう。
※風習にこだわらない場合は書き入れてもOKです。
てるてる坊主の顔は描かない(2)
できあがったてるてる坊主に、顔を描き入れてから吊すと、雨に濡れた時に顔のインクがにじみ、涙を流している様に見えます。
このことから「顔を先に入れるのは縁起が悪い」という説があります。
※風習にこだわらない場合は書き入れてもOKです。
黒い素材は使わない
天武天皇の時代、何日も雨が降り続く時は「白い馬=晴祈願」の絵馬を、何日も雨が降らない時は「黒い馬=雨祈願」の絵馬を、それぞれ奉納したそうです。
この風習から「黒は雨祈願を連想する」という理由から、黒の素材で作るのは避けた方が良いと言われています。
北側には吊さない
北側に吊すと、これも「雨祈願」に変わってしまうそうです。
てるてる坊主から空が見える場所、晴れていれば陽の当たる南側に吊しましょう!(南半球なら北側)
逆さには吊さない
皆さんご存じの通り、「逆さてるてる坊主=雨祈願」に変わってしまいますね。
まとめ
「てるてる坊主」の由来は、中国の古い習慣が伝わったものでした。
中国から日本に伝わり「てるてる坊主」と呼ばれる様になり、「軒先や庇に吊して晴天を祈祷する」という風習が今でも残っています。
てるてる坊主は、材料が布だけでなくティッシュやキッチンペーパーでも作ることが出来るため、子ども達にも簡単に作れます!
梅雨の時期には、保育園や幼稚園で作る機会があるかもしれませんね。
子ども達が嬉しそうに、てるてる坊主を見せてきたら、まずは上手にできたことを褒めてあげてくださいね。
そして、親子一緒に「てるてる坊主の由来」や「吊す理由」を話し合うのも良いかもしれません♪