紫外線対策に日焼け止めを塗っている方も多いかと思われますが、パッケージに書かれている「SPF」や「+」の表記。
一体どのような意味があるのでしょうか?
また、SPFの数値が高ければ高いほど肌に悪いとも聞きますよね。
今回は日焼け止めの「SPF」や「+」の意味をおさらいしつつ、肌への影響について紹介していきたいと思います!
SPFの意味とは?
SPFを日本語訳すると「紫外線防御効果」となります。
※Sun Protection Factorの頭文字を取ったものが「SPF」
肌が赤くなる様な日焼けは、紫外線β波(=UVB)が原因でおこります。
また、紫外線β波は、シミやソバカスや皮膚ガンなど、肌トラブルの素にもなります。
そんな紫外線βを防止する効果が「紫外線防御効果」です。
SPFの数値や+とは?
日焼け止めを手に取ると必ず目にするのが「SPF」
数値が高いほど日焼け防止の効果が強く、肌への影響が良くないと聞きますよね。
そしてここ数年では「+」という表記も見かけるようになってきました。
この項目では、改めて「SPF」と「+」の正しい意味をおさらいしていきましょう!
SPFの数値について
SPF(紫外線防御効果)の数値について解説します!
まず、「素肌」と「SPFを塗った肌」の「日焼けの始まり」までの時間を比べます。
20分ほど観察するわけですが、当然「素肌」の方が早く日焼けが始まりますよね。
「素肌」の日焼けが始まってから、何分後に「SPFを塗った肌」の日焼けが始まるのか・・・
「素肌で20分後から日焼けが始まる」ならば、「SPFを塗った肌は何倍先に延ばせるのか」という目安の数値(倍数)です。
ですから、SPFの数値が上がれば(大きければ)、「素肌」の日焼け開始時間よりも日焼けを遅らせることができるというわけです。
SPFの数値の例
まず注意しなければならないことは「肌の色は人によって全く違う」ということです。
そこで大まかに、「色白肌」「普通色肌」「色黒肌」の3つに分けています。
この肌の色の違いで、観察時間(=素肌と比べる時間)が変わります。
それぞれの素肌の状態から日焼けが始まるまでの時間は「色白肌=20分」「普通色肌=25分」「色黒肌=30分」となります。
※SPF20とは、素肌でいるより20倍の時間は肌トラブルなどがないということ。
色白肌(20分) |
SPF30:30×20分=600分 |
SPF40:40×20分=800分 | |
SPF50:50×20分=1000分 | |
普通色肌(25分) |
SPF30:30×25分=750分 |
SPF40:40×25分=1000分 | |
SPF50:50×25分=1250分 | |
色黒肌(30分) |
SPF30:30×30分=900分 |
SPF40:40×30分=1200分 | |
SPF50:50×30分=1500分 |
+(プラス)の意味
「+」は、通常「PA+」で表わされます。
「PA」は「Protection Grade of UVA」の略で、日本語では「紫外線α波(UVA) を防ぐ」と意味になります。
そして、その効果の度合いを「+」の数で表わしています。
「+」の数について
単純に「+」が多いほど、効き目があるという意味です。
・+:効き目がある
・++:効き目がかなりある
・+++:効き目が非常にある
・++++:効き目がそれ以上にある
※測定と表示の方法が、改定されて4段階に区別させる様になりました。
紫外線α波(UVA)の性質
「紫外線α波(UVA)」は、波長が長いとされています。
そのために肌の奥まで入り込み、シミやしわなどに大きく関係していると言われています。
また、外が曇りの日や日の当たらない部屋の中でも、「紫外線α波(UVA)」は通り抜けてしまうので、家の中にいても紫外線対策は必要になると思って良いでしょう。
「SPF」に「+」が付く場合
「SPF50」に「+」が付く場合は、最大「SPF50」より、さらに大きい効果があることを表わしています。
説明では「SPFが51より大きい」という意味だそうです。
数値が高いほど肌に悪い!?
どこに行っても目にする「SPF」や「PA」などの日焼け止め商品ですが、本来は自分の肌の状態をよく理解した上で、「どんな時に使いたいのか」「どんな場所で使いたいのか」など、しっかりと目的を持って購入することが一番大切です。
生活に合わせた日焼け止めの目安
推奨されるSPF(PA)の数値の例を表にしてみました。
購入の際は以下の表を確認しながら選ぶと良いでしょう!
日常生活 (買い物、洗濯物干し、散歩など) |
SPF10前後~SPF20ぐらい |
PA+~PA++くらい | |
野外活動 (スポーツ、レジャー、お出掛けなど) |
SPF20前後~SPF30ぐらい |
PA++前後~PA+++くらい | |
炎天下での野外活動 (リゾート地でのマリンスポーツ、登山など) |
SPF30~SPF50+ |
PA++~PA++++ | |
非常に紫外線が強い場所 紫外線に特に敏感肌な人など |
SPF30~SPF50+ |
PA++~PA++++ |
日焼け止めの正しい理解
日焼け止め購入の決め手は「日差しの強さ」ではなく、「日に当たる時間の長さ」です。
ただ、「山に行くから」「海に行くから」で高い数値を選ぶのではなく、「山に”何時間いる”から」「海に”何時間いる”から」で選ぶのが正しいということです。
日焼け止めの正しい使い方
日焼け止めは数値の高いものを塗りっぱなしではなく、こまめに塗り直すのが正しい使い方の様です。
海やプール、スポーツなど汗をたくさんかく様な時は、汗やオイルを拭き取ったあとに日焼け止めを塗り直すことができますが、日常生活の中ではメイクまで落とさなければならなくなるなど、その手間とストレスにより肌にも負担がかかります。
そこで、「生活に合わせた日焼け止めの目安」を参考に、メイクの上からカバーできるスプレータイプの日焼け止めを上手に活用するのが良いでしょう。
☆ほか、詳しい使い方は以下の記事を参考にどうぞ!
数値が高いほど肌に悪い!?
日焼け止めには、「紫外線吸収剤」と「紫外線散乱剤」の2種類が含まれているそうです。
ここで問題なのが、「紫外線吸収剤」の方です。
SPFの数値が上がるほど、「紫外線吸収剤」の含まれる量も多く、肌に当たった紫外線を吸収する力も大きくなります。
一見、「日焼けから遠のくから安心」と思うかも知れませんが、その仕組みは紫外線を熱に変えて外にだすという化学変化を、肌の上で繰り返しおこなうということです。
そして、ある程度の紫外線を吸収してしまうと、それ以上の吸収ができなくなるので塗り直しが必要になるのです。
この繰り返しの化学反応と塗り直しが、肌への負担大となり、肌荒れ・湿疹・かぶれ・乾燥などの皮膚トラブルを引き起こす恐れが大きいといわれています。
※紫外線吸収剤を使っていない「ノンケミカル」の日焼け止めもあります!
まとめ
日焼け止めには、SPFとPAという2つの防御作用があるということが分かりましたね。
それぞれの数値が大きくなるにつれて効き目も大きくなりますが、この効き目というのは場所ではなく「時間」でした。
確かに、環境に合わせた日焼け止めも大切ですが、日焼け止めのSPFには「紫外線吸収剤」という物質が入っているせいで、その数値が大きくなると肌の負担も大きくなるということです。
SPFやPAの数値が低くても塗り直しができるのであれば、その方が肌への負担は、最小限に抑えられます。
数値が大きければ良いというものでもなく、自分の肌の状態と自分の行き先(環境)と照らし合わせて使い分ける必要がありますので、あまり数字にとらわれずに選ぶことをおすすめします!