待機児童の問題などで実際に現在お困りの方や、今後預ける予定にはしているものの不安のある方など、様々な方がおられると思います。
大事なお子さんを預ける場所に、保育園や幼稚園の他に「認定こども園」というのがあることをあなたはご存知ですか?
名前は聞いたことがあっても、実際には幼稚園や保育園との違いまでは分からない…という方も多いのではないでしょうか。
今回はそんな幼児の保育や教育に関する問題の解決策のひとつでもある「認定こども園」について紹介していきたいと思います!
認定こども園とは?
そもそも「認定こども園」とはなんぞや?というところですね。
ニュースなどで「待機児童」というフレーズは聞いたことがあるかと思います。
ですが、今は待機児童の増加だけでなく、働く女性の増加や就労形態の多様化、さらには少子化が進んでいることなどもあり、多様化する保育ニーズが求められています。
そんな中で2006年に国が打ち出した解決策のひとつが「認定こども園」になります。
2015年には「子ども・子育て支援新制度」の推進もあり、施設の増加ペースも上がっております。
では、具体的にどんな施設なのかというと…
「就学前の子どもに幼児教育・保育を提供する機能」と「地域における子育て支援を行う機能」を備え、国からの認定基準を満たしている教育と保育を一体的に行う施設となります。
簡単に言ってしまえば、保育園と幼稚園の両方の良さを併せ持つ施設ということですね。
他にも、保育園は定員いっぱいで入れないのに幼稚園は定員割れしているところもあるという状況を利用して、待機児童の受け入れを進めようという動きもひとつの目的となっております。
さらに認定こども園は4種類のタイプに分けられます。
- 幼保連携型
認可幼稚園と認可保育園が一体的になって認定こども園としての機能を果たします。
幼稚園の子も保育園の子も、同じ施設で同じ時間を過ごします。
- 幼稚園型
認可幼稚園が保育時間を確保して、保育所的な機能をプラスして運営します。
幼稚園の保育時間からさらに保育時間を延長可能にしたようなタイプです。
- 保育所型
認可保育所が、共働きなどの保育に欠ける状況でなくても受け入れられる幼稚園的な運営をするタイプです。
保育所の受け入れ条件の幅が広くなったようなタイプです。
- 地方裁量型
幼稚園・保育所のいずれの認可もない教育・保育施設が認定こども園としての必要な機能を果たすタイプです。
いわゆる認可外の保育園というところです。
認定こども園といっても様々なタイプがありますので、ご自身の地域にはどのような認定こども園が存在するのかを確認してみると良いですね!
保育園や幼稚園との違いは何?
では、保育園や幼稚園との違いは具体的に何なのでしょうか?
ひとつずつ解説していきます!
施設の種別
- 保育園=児童福祉施設
(親が働いていることなどで保育ができない状況にある子どもを預かる保育施設) - 幼稚園=教育施設
(就学前の幼児が教育を受ける教育施設) - 認定こども園=教育と保育を一体的に行う施設
(子どもの保育と教育を両方行う施設)
入所する条件
- 保育園=保育に欠ける状況であること
- 幼稚園=必要年齢を満たしていれば入園可能
- 認定こども園=特に条件はなし
対象年齢
※園によって異なりますので一概には言えません。
- 保育園=産休明けから
- 幼稚園=満3歳から
- 認定こども園=産休明けから
基本的な保育時間
※園によって異なりますので一概には言えません。
- 保育園=7:30〜17:00(原則8時間)
- 幼稚園=9:00〜14:00(標準4時間)
- 認定こども園=7:30〜17:00(4時間でも8時間でも対応可)
長期休暇の有無
- 保育園=なし
- 幼稚園=あり(預かり保育のある園もある)
- 認定こども園=なし
給食の有無
- 保育園=あり
- 幼稚園=園によります
(毎日お弁当・週に何度かお弁当の園とバラつきあり) - 認定こども園=あり
総括
管轄している国の機関も違うために色々な点で違いがありますので、ご自身の生活のニーズに合わせて選ぶことが大事ですね。
園によっても多少の違いがあるので、直接園に確認しておくことも重要です。
保育料はどのくらいする?
大体の各施設の違いは理解してもらえたかと思いますが、やはり重要なポイントとしてお金の問題ですよね。
毎月の負担となるところなので、しっかりおさえておきましょう!
ここでは2つのポイントがあります。
- 国から3つの区分の認定に分けられて、その区分に応じて金額が変わる。
- 世帯収入によって金額設定が変わる。
という点です。
3つの認定区分について
まずは国からお子さんの状況により、3つの認定区分に分けられます。
その区分により、基本的な上限の金額が決まります。
- 1号認定
上限:0円〜25,700円
3歳以上の保育を必要としないお子さん。
- 2号認定
上限:0円〜101,000円
3歳以上の保育を必要とするお子さん。
- 3号認定
上限:0円〜104,000円
3歳未満の保育を必要とするお子さん。
世帯収入による区分
上記の3つの区分が決まった後に、ご家庭ごとの世帯の所得をベースに細かい金額が設定されます。
各市町村によって所得区分が違いますので、正確な金額に関しては各市町村に問い合わせるといいでしょう。
各市町村のHPでも確認できますよ!
一例として、名古屋市の利用額を紹介しておきます。
■1号認定のお子さん
平成29年度利用者負担額(保育料)基準月額表(1号認定子ども)
■2・3号認定のお子さん
平成29年度利用者負担額(保育料)基準月額表(2号・3号認定子ども)
認定こども園のメリットとデメリット
なんだか保育園と幼稚園の良いとこ取りのような認定こども園ですが、実際にはどうなのでしょうか?
メリットとデメリットを解説していきたいと思います。
認定こども園のメリット
- 保育と教育の両方を受けることができる
- 入所条件が特にない(親が働いていなくともOK)
- 預かり時間を選ぶことができる(長い時間預けることが可能)
- 0歳から就学前まで幅広い年齢のお子さんが利用できる
- 年齢の違うお子さんが一つの場所で交流できる
- 育児相談などの子育て支援を誰でも受けることができる
認定こども園のデメリット
- 入所条件がないとはいえ、保育に欠ける状況の人が優先的に入ることができるので、キャパオーバーで入所できないこともある
- 保育料が高額になる場合もある
- 行事が平日に多い
- 幼稚園ママと保育園ママとの交流が深まらない(生活スタイルが大きく違うため)
- 早く帰るお子さんと遅く帰るお子さんで二極化して寂しい思いをする可能性がある
全てが保育園や幼稚園の良いとこ取りのように感じられますが、やはりメリットがあればデメリットが存在します。
当然、住んでいる地域によっては自分の望むタイプの認定こども園がない場合もありますので、その際はよりデメリットを感じるかもしれません。
まとめ
待機児童を減らすために国がスタートさせた認定こども園の制度ですが、イメージは掴めましたでしょうか?
今回の内容を簡単にまとめてみます。
- 保育と教育を一体的に行う施設であること
- 運営タイプが4種類あること
- 保育園の特性と幼稚園の特性を併せ持つので入所の条件や保育時間に融通がきくこと
- メリットも多くあるがデメリットもあること
まだまだ待機児童の問題の解決には時間がかかることや、生活スタイルが変わってきていることで、様々な保育ニーズが必要になってきています。
ご自身の生活を守るためにも、大事なお子さんに最良の時間を過ごさせてあげるためにも、認定こども園を選択肢に入れることは重要かと思います。
住んでいる地域の保育施設を良く確認して、自分の生活スタイルに合った保育施設を選ぶようにしましょう!