「キッズウィーク」という言葉を聞いたことがありますか?
「キッズ」と付くからには、子どもに何か関係があることは分かるけれど、お子さんがいらっしゃらないからと、関係の無い話と思っている方もおられるかもしれません。
しかし、そう思っていると知らないうちに影響が出てくることも…?
そこで今回はキッズウィークとは一体どういう意味なのか、効果や影響、メリット・デメリット等を紹介していきたいと思います!
キッズウィークとは何?
キッズウィーク…最近になってたまに聞く用語ですが、具体的にどのような意味を指すのでしょうか?
キッズウィークとは、公立の小・中・高校の夏休みや冬休みなど、学校で設けられている休みの期間を一部他の月に移動させ、それにより別に連休を作り出す政策です。
私立の学校には協力をお願いしている形で、必ず実施する必要はありません。
…と、それだけではよく分からないかと思いますので、「2018年度の休暇日」を用いて例を挙げてみますね。
現在一般的な夏休みは、7月20日頃から8月31日までの合計40日間とされています。
その期間の内、8月28日(火)~8月31日(金)の4日間の休みを切り取り、夏休みを8月27日(月)までにします。
そして、切り取った4日間の休みを、10月9日(火)から10月12日(金)に移動させます。
すると、10月8日(月)は体育の日で祝日のため、1週間もの連休を作り出す事が出来るのです。
お休みの移動は個人で決めるのではなく、各地域・自治体に決定権があります。
なので、上記はあくまでも例です。ご注意ください。
キッズウィークを創設した理由としては、様々な考えがあります。
簡単に言ってしまえば、キッズウィークに合わせて親も有給休暇を取得させ、お子さんといっしょに何処かお出掛けしてもらって、そこでお金を使って下さいね。
…という狙いがあるようです。
2017年から開始された「プレミアムフライデー」に通じるものがありますね!
プレミアムフライデー:
一部の企業が月末の金曜日の就業時間を早め、それに合わせて商店街やデパート側がセールを行うことにより消費活動を活発にさせる狙いがあります。
しかし、そんなに話がうまく進むのでしょうか?
次の章では、キッズウィークのメリットとデメリットを紹介いたします!
キッズウィークのメリットとデメリット
さて、キッズウィークを取り入れることにより、政府が思った通りに事が進むのでしょうか?
ここでは、キッズウィークのメリットとデメリットを簡単にまとめてみました!
メリット
- 親子が一緒に休みを取ることにより、親子のコミュニケーションが増える
- 各地域で休みが分散されるため、観光地や交通状況の混雑解消につながる
- 親が有給消化をしやすくなる
- 出掛ける機会が増えることにより、消費が拡大する
デメリット
- 全業種に、キッズウィークによる有給消化を促すのは厳しい
- キッズウィークに関係しない人には、有給取得に関する不公平感が出てくる
- 夏休み・冬休みなどを一部変更する場合は、暑さ・寒さで子どもが学業に身が入らない可能性がある
- お休みの間に残ってしまった仕事を処理するために、残業時間が増加する場合がある
…以上のように、キッズウィークのメリットとデメリットはまさに表裏一体、諸刃の剣とも思えます。
次の章ではこのメリット・デメリットを元に、どんな効果・影響があるかを紹介いたします!
どんな効果や影響がある?
先ほど、メリット・デメリットを紹介したことからも分かるように、キッズウィークが実施されることにより、様々な効果や影響が出てきます。
メリットの面が強く発揮されれば、政府から企業に休暇をとらせるよう強く勧めると言っている分、キッズウィークを理由に有給取得がしやすくなります。
キッズウィークに合わせて有給取得できれば、地域ごとに休みが違うため、観光先や交通状況の混雑具合をあまり気にせずに遠出する方が増えます。
それにより親子の対話や思い出も増え、コミュニケーション不足解消のきっかけとして成り立つかもしれません。
消費面としては、観光客が旅先でお金を使ってくれることにより消費が拡大しますね。
休みが分散されているため、観光地域の繁忙期と閑散期も分散されることにより、スケジュールが安定するかもしれません。
しかし、デメリット面が強く出てしまった場合も考えなくてはなりません。
キッズウィークといえど、簡単には有給取得するのは難しく、特にサービス業や営業職・自営業の方に「キッズウィークを取り入れてお休みしなさい」というのはなかなか難しいかもしれません。
プレミアムフライデーが導入された時、それを取り入れられたのは、一部企業・一部業種にとどまっている経験上、「キッズウィークが実施されても休みなんてとれるはずないでしょう」と考えている方は少なくありません。
もし有給の取得ができたとしても、仕事のしわ寄せはキッズウィークに関係しない人に来ることになり、カバーしきれなかった仕事は休み明けに、残業して処理することになるかもしれません。
そのため、有給取得に関する不公平感が出てきたり、気を使って結局有給を使えなかったりなどの可能性も懸念されています。
そして、夏休みや冬休みなどの長期休みを一部切り取るという事は、子どもは暑さ・寒さの中で学業に励むことになります。
そもそもつらい気候の中、学業に励むのは厳しいために設けた長期休み。
それを変更するのは、多少なりとも疑問が残りますね。
子どもの立場としても、大人の立場にしても、それぞれに影響は出てくるのではないでしょうか?
キッズウィークはいつから?
色々と紹介してきたキッズウィークですが、実施はいつ頃なのでしょうか?
2017年6月9日に政府にて方針が決定し、2018年度の4月から実施すると決定しています。
つまり、極端に言ってしまえば、地域によっては4月の平日に休みの期間を移動する事もあり得るわけです。
このキッズウィークは限定期間の政策ではなく、2018年4月から実施された後は、半永久的に続くと考えられています。
まとめ
最後に、キッズウィークについて簡単にまとめてみました。
- キッズウィークとは学校の休みの一部を別の時期に移し、長期休みを別に作る政策
- 2018年4月から実施される
- 子ども・大人両方の立場で、メリット・デメリットがある
政府としてはキッズウィークを定着させ、これをきっかけに世間全体が有給休暇を取得しやすい環境に変化していくことを期待しています。
しかし、実際働いている側からしてみると甘い考えなのではないかという思いが拭いきれないのも事実です。
私としては企業全体で有休消化しやすい環境を作っていくなどの努力が実らなければ、キッズウィークも未だに定着しきれていないプレミアムフライデーの二の舞になるのではと考えています。
来年の実施により、今後どのような変化が起こってくるかを予測しておく必要がありそうですね!