以前、筆者が長い髪をバッサリ切ったときに、美容師の方に「寄付できる髪の長さですね」と言われたことがありました。
当時は、寄付という言葉に馴染みはありましたが、髪を寄付するという考えはなく、勿体無いことをしたと思ったものです。
そこで今回は、髪を寄付しようと少しでも考えている方に向けて、髪の寄付について調べてみました。
ヘアカラーや、縮毛矯正などを施した髪でも、寄付はできるのか?
お金をもらえたりするのか?など、寄付についての疑問点から、髪の寄付の方法までを、ご紹介したいと思います。
髪の毛寄付とは?
髪を、なぜ寄付できるのか? 需要は何なのか? それは、以下の活動が関係しています。
ヘアドネーション
抗がん剤治療や、先天性の無毛症、脱毛症など、髪についての悩みを抱える子どもたちへ、人毛を使った医療用ウィッグを、無償で提供する活動を『ヘアドネーション』と呼びます。
人毛のウィッグを購入する場合、数十万円単位の費用がかかり、治療の費用をすでに負担しているご家庭では、手に入れるのが困難であるのが現状です。
しかし、アクリル製などの安価なウィッグだと、いかにも『カツラ』というのが分かってしまい、復学した際に、クラスに馴染めないなどの問題があるのも現実です。
そこで、寄付された髪で、オーダーメイドの人毛ウィッグを作る『ヘアドネーション』の活動が機能していることで、子どもたちに、無償で提供することができます。
治療を頑張っている子どもたちに、少しでも手助けができるのが、髪の毛の寄付です。
髪の毛寄付でお金は貰える?
寄付では、基本、お金の支払いは発生しません。
その代わり、受領証や認定証を発行してくれる団体もあります。
受領証・認定証とは、寄付した髪を、受け取りましたという証明です。
ポストカードタイプの受領証が多く、受領証を希望する方は、自身で返信用封筒を用意する必要があります。
もし、髪をお金に変えたい場合は、寄付ではなく、髪を売るという方法があります。
この場合は、髪専門の買取業者にお願いし、査定などの工程を経て、売ることが可能です。
髪の毛寄付の条件
いくつかの寄付団体の条件を調べてみたところ、どの団体でも以下の条件を提示していました。
31cm以上の長さ
医療用ウィッグは、前髪のみなどのポイントウィッグではなく、フルウィッグが求められています。
そのため、ロングやセミロングなどの、フルウィッグを作成するも可能な、31㎝以上の長さが条件とされています。
※団体によっては、15㎝~31㎝未満の長さでも、寄付が可能な場合があります。
髪の毛が完全に乾いている
寄付する髪が濡れた状態だと、カビが発生する危険性がありNGです。
髪は、ドライヤーなどで乾かしても、髪の内部は湿っている場合があります。
そのため、ドネーションカットをする際、髪が乾いた状態で行うことが、推奨されています。
その他の気になるポイントQ&A
Q,パーマやヘアカラー、縮毛矯正などをしていても寄付は可能か?
A,寄付可能です。複数の寄付団体を確認したところ、手入れされていて、ダメージが少ない髪の毛であれば問題ないようです。
Q,くせ毛や白髪が混じっていても、大丈夫か?
A,ヘアカラー等をしている髪と同様で、ダメージが少ない髪の毛であれば、寄付に問題はありません。
髪の毛寄付のやり方
まずは、寄付できる髪束を、用意します。
そのためには、自身で切るか、ドネーションカットを行ってくれる、美容院にお願いする必要があります。
ドネーションカットを行ってくれる美容院でカットすれば、失敗する心配がありませんので、筆者としては、美容院で切ることを推奨します。
ドネーションカットを行える美容院は、下記にてご紹介している、「オススメの寄付団体」のHPにて確認が可能です。
自身で、ドネーションカットをする場合は、以下の手順で行うことができます。
ドネーションカットの方法
①髪を3~5束に分けて、各束を輪ゴムで留めます。
【ポイント】太く束ねると、髪がバラけやすいため、細い束を複数作ります。
②輪ゴムで留めた箇所から、1㎝上をカットします。
【ポイント】髪は乾いた状態でカットする。
③カットした細い束をまとめて、さらに輪ゴムで1本に束ねる。
【ポイント】
・束は、必ず1人の髪で作ること。複数人の髪を1つにまとめない。
・毛先を揃えた状態にする。
カットの方法が分かった後は、梱包方法と、発送先にオススメの団体をご紹介いたします。
梱包方法
①輪ゴムで束ねた髪を、封筒やレターパックなどの発送用梱包材に入れる。
②受領証や認定証を希望する場合は、返信用封筒も同封する。
【ポイント】
・髪の束を、ラップや紙などでくるまない。
・発送の際は「追跡サービス」を利用するのがオススメ。
オススメの寄付団体
・特定非営利活動法人 Japan Hair Donation & Charity
〒530-0022
大阪市北区浪花町13-38 千代田ビル北館7A
NPO法人JHD&C事務局
HP:https://www.jhdac.org/index.html
・特定非営利活動法人HERO
〒981-8003
宮城県仙台市泉区南光台2丁目13-1
NPO 法人HERO ヘアドネーションプロジェクト係
HP:https://hairdonation.hero.or.jp/
・株式会社グローウィング『つな髪プロジェクト』
〒530-0001
大阪府大阪市北区梅田3丁目3-45マルイト西梅田ビル5F
㈱グローウィング つな髪事務局
HP:https://www.organic-cotton-wig-assoc.jp/
まとめ
最後に、髪の寄付について、簡単にまとめてみました。
・髪の寄付でお金はもらえない。その代わりに受領証や認定証を希望できる場合がある。
・ヘアカラー、パーマ、縮毛矯正、白髪、くせ毛も、寄付ができる。
・ヘアドネーションカットをしてくれる美容院は、全国に存在する。
多くの方が、ヘアドネーションの取り組みを知ることは、人毛のウィッグを手にする子どもたちが、増えるということです。
それは、普通の日常を過ごすきっかけを、子どもたちに提供できることに繋がります。
この記事をお読みいただいている方は、髪の寄付に少しでも興味がある方かと存じます。
ぜひ、この機会に髪の寄付をしてみてはいかがでしょうか。