今、主に中高生の間で人気のSNS。
SNSとは「インターネットのネットワークを通じて、人と人をつなぎコミュニケーションが図れるように設計された会員制サービス(日本大百科全書より)」です。
スマホが普及するに伴い、子ども達のSNSの使用が広がっています。
SNSにはLINE、Twitter(ツイッター)、Instagram(インスタグラム)などなど…
詳しくない方でも、一度はTV番組やニュースで聞いたことがある方も多いのではないでしょうか?
そんなSNSですが、一歩間違えると大きな事件に発展したり、「炎上」という個人の言動に対する批判や、個人情報流出の危険性があります。
そういった事件に巻き込まれないようにするためにはどのような点を気をつけ、どう子どもに伝えるかが問題となってきます。
今回はそもそも「子どもにSNSをさせるのはアリなのか?」という点と、トラブルに巻き込まれないための注意点などを紹介していきたいと思います!
子どもにSNSをさせるのはあり?
子ども達の間では、学校の友達同士・クラブの仲間・塾や習い事での仲間の間でSNSを使って会話をしたりするだけでなく、同じ趣味を持つ仲間を探したりするためにも使われることがあります。
便利ですし、特に友達との交流には欠かせないものになってきています。
しかし、
- 顔を突き合わせての会話ではないこと
- 文字だけで色々な情報が伝わらないこと
- 匿名でできること
などの理由から集団心理の暴走がおきやすく、精神的に未熟である子ども達には難しいところがあります。
また、自分の好きな人や同じ趣向の人としか繋がらないことで、楽なコミュニケーションしか取らず、現実の様々な人間関係が苦手になってしまうことなども考えられます。
ある程度様々なスキルや学習をしたうえでのSNS使用が望ましいと考えられますが、学校ではそこまで深く教えられることがないのが現状です。
だからといって、スマホの中身を全て管理するのは不可能ですし、あれやこれやと子どもに言うとかえって逆効果になることも…
子どもにSNSをさせるのはあり・なしと言うよりは、SNSが普及している今、話題についていけなくなる・連絡が取りにくくなる・コミュニケーションなどの観点から、子どもからSNSを引き離すのは難しいケースが多いです。
子どもにはSNSの問題点をきちんと話した上で、親も一緒にSNSについて勉強をするのが望ましいですね。
SNS上での子どものトラブル例
SNSに関する事件は後を絶えませんよね。
ニュースやネットでのまとめでも度々見かけます。
SNSが元となった事件やトラブルは一体どのようなものがあるのでしょうか?
ネットいじめ
「ネットいじめ」「SNSいじめ」「LINEいじめ」「Twitterいじめ」が問題になっています。
最近でも、SNS上で仲間外れにされたり悪口を言われたりなどで自殺をしたというニュースもありました。
「1人が攻撃を始めると、それが集団心理でどんどんエスカレートしていく」という実験結果も出ているようです。
個人情報が漏れる
学校名や本名、顔写真といった個人情報を載せていないにも関わらず、
- 友達とのやりとり
- 遊びに行った際の写真
- 顔が写っていない自撮り写真(服装や後ろ姿など)
- その日の天気や交通機関の遅延、地震などに関する発言
以上の情報だけでも氏名や住所、学校名、誕生日などが特定される場合があります。
また困ったことに、子ども本人自分がそういった発言や投稿をしていなくても、”子どもの友達”が載せたものから漏れる場合もあります。
それによってストーカーされたり、第三者に悪用されてしまうこともあります。
悪意のあるなりすましや乗っ取り
友達や知人になりすましたり、男なのに女性になりすまして接触を図ろうとする人もいます。
実際に会ってみたらなりすましで、誘拐されたり性的暴行をされてしまうことがあります。
また、アカウントを乗っ取って本人が拡散したかのように悪口やデマを流すといった事件もあります。
援助交際
遊ぶお金が欲しいがゆえに、SNSで知り合った人物と援助交際やデートクラブまがいの行為を行う子ども(学生)もいます。
こちらはどちらかと言うとSNS上でのトラブルというより、子ども(学生)本人が問題を抱えているケースです。
炎上
SNSのトラブルでも数が多いのが「炎上」です。
- コンビニのアイスケースに入った
- 電車の線路内に入った
- 電車や街中の一般人を盗撮した
- 有名人に殺害予告をした
- その他迷惑行為をした
などの写真や動画、発言の投稿が炎上の発端になります。
炎上の発端となる投稿をした子どものアカウントに学校名や本名、「個人情報が漏れる」で紹介した内容が含まれていると、同時に個人情報も流出します。
炎上は、
- 投稿者に対する必要以上な個人攻撃
- 個人情報の流出
- 退学の危険性
- 犯罪行為だった場合の逮捕
など、様々なトラブルの元となり、大変危険です。
架空請求
ワンクリック詐欺や迷惑メールなど、一昔前に流行ったような手口ですが、現在でも確認されています。
SNS上だと、
- アドレスをクリックしただけで詐欺サイトへ繋がる
- LINEにメッセージ(詐欺や架空請求への誘導)がくる
といった事例があります。
※大半が詐欺行為なので実際に振り込む必要はありません。
事件や犯罪の対処法
もし、事件や犯罪に巻き込まれてしまった場合はどうしたら良いのでしょうか?
学校へ相談する
学校での交友関係における問題、いじめなどの場合はすぐに学校へ相談しましょう。
いじめ発言などを印刷したプリントやスクリーンショットといった、なるべく具体的な証拠があると便利です。
☆こういったトラブルに有効
・SNS上におけるいじめ
相談窓口に連絡する
事件までには至っていなかったり、どこに相談して良いのか分からなかったりする場合の相談窓口もあります。
法務局や地方法務局、人権委員などの専門の機関が対応してくれます。
以下、各種相談窓口のサイトや電話番号になります。
■誹謗中傷対策センター – インターネット上の風評被害・名誉毀損等の相談受付
・個人情報流出や炎上などの相談窓口
■サイバー犯罪相談窓口:ネットで誹謗中傷されたときの対策方法
・SNSいじめや個人情報流出などの相談窓口
↓子ども向け相談窓口
■インターネット人権相談受付窓口(外部サイト)
子どもの人権110番
0120-007-110
■24時間子どもSOSダイヤル
受付時間:24時間対応(年中無休)
0120-0-78310
■チャイルドライン
フリーダイヤル:
0120-99-7777(月~土:16時から21時まで)
※12月29日~1月3日はお休み
※通話料無料(携帯・PHS からも無料)
※対象:18歳までの子ども
また、多くの自治体にも青少年のネットトラブルの相談窓口が作られています。
いったん、SNS上でトラブルが発生してしまった場合は、自分達だけで解決することは非常に難しいものです。
できるだけ、学校や専門の相談窓口と連携して対処するようにしましょう。
☆こういったトラブルに有効
・SNSいじめ全般
・炎上(誹謗中傷)
・個人情報の流出
・架空請求
子ども本人と話し合う
子ども本人と話し合って解決できる問題もあります。
家庭環境が子どもに悪影響を及ぼしている場合もありますので、家族で話し合うのも大切です。
☆こういったトラブルに有効
・SNSいじめ全般
・援助交際
事件や犯罪の防止・予防方法
事件や犯罪を防止・予防するにはどうしたら良いでしょうか。
機能制限サービスの利用する
フィルタリングサービスとは、有害サイトにアクセスさせないように制限をかけるものです。
フィルタリングがあると、LINEが使えないということで外すことが多いようですが、実際はID検索ができなくなるだけで、LINE自体は使えます。
一度フイルタリングをかけると全てのSNSが制限がかかりますが、使うアプリを保護者が機能制限設定を解除することも可能です。
Twitterも同じで、各携帯会社のカスタマイズ機能を利用して使うようにできます。
ただし、iPhoneではフィルタリングをかけていても、LINE上やTwitter上のURLには接続できてしまう点には気をつけましょう。
☆フィルタリングに関する記事も参考にどうぞ!
個人情報をSNS上にアップさせない
- 名前
- 電話番号
- 住所
- メールアドレス
- 誕生日
- 学校名
- 自撮り写真
- 住んでいる場所が特定されてしまうような写真(自宅周辺など)
など、プライバシーに関する情報をSNSにアップさせないようにします。
行動や生活パターンを読み取られたりすることもあるので、普段の行動をアップしたり、近所や学校などの写真をアップしたりすることも気をつけないといけません。
インターネット上で知り合った人と会わせない
SNSで知り合った人が、本当にプロフィール通りなのかどうかは分かりません。
実際に嘘のプロフィールに騙されて犯罪に巻き込まれている子ども達も大勢います。
また、SNSで知らない人からコンタクトをとられることもあるでしょう。
その中には悪意を持って近づいてくる人もいるということをしっかりと理解させましょう。
☆「ネット恋愛」に関する記事も参考にどうぞ!
子どもの様子をしっかり観察する
子どもがスマホばかり見ていたりしないか、逆にスマホを怖がってしまっていたりしていないか、食欲がおちていないかなど、今までと違うことが起きていないのかを気にかけましょう。
いじめについては、心配をかけさせたくない、恥ずかしいなどということで、なかなか子どもが自分から親に言うことは難しいのです。
また、いじめが発覚した時にはすぐに学校などに相談しましょう!
啓発動画を見せる
実際に「SNSは危険なこともあるんだよ」と話しても、聞き流されてしまうことも少なくありません。
そういった場合は、YouTubeに投稿されている啓発動画を見せるのも1つの手です。
堅苦しい動画はちょっと…という場合は、ユーチューバー(知名度や人気のある投稿者)が公開している動画もありますので、興味を持って見てくれる場合もあります。
- 炎上に関する動画
ドラマ形式で炎上の家庭が描かれている動画です。
登場人物に感情移入しながら見ることができます。
- ネットいじめ・炎上など
小学生向けのネットいじめや、炎上などについての動画です。
3分弱の動画なので、見るのに時間もかかりません。
- ネットいじめについて
人気ユーチューバーの「水溜りボンド」の2人が「LINEいじめ」について解説をしている動画です。
集団心理についても触れられています。
その他、多くの啓発動画が投稿されているので、各種検索してみても良いですね!
→YouTube「ネットいじめ」の検索結果
→YouTube「炎上 啓発」の検索結果
まとめ
スマホの普及により子ども達のSNSの使用が広がっています。
時代の流れによりSNSを使わせないということもだんだんと難しくなってきているので、きちんと理解した上でSNSを使わせるようにしたいものです。
そのためには、
- 機能制限サービスの利用する
- 個人情報をSNS上にアップさせない
- インターネット上で知り合った人と実際に会わせない
- 子どもの様子をしっかり観察する
ようにして、トラブルや犯罪にまきこまれないようにしましょう!
便利であり楽しいSNSですが、その危険性をしっかり親子で認識して上手に利用することが大切です。