子どもが片付けをしない、そしてイライラが募って悩んでしまうママはたくさんいるでしょう。
かつては、私もその1人でした。
「何回言えば分かるの!」
「お片付けは、あなたの仕事でしょ?」
「片付けないなら捨てちゃうよ!」
などなど、典型的ではありますが、全部子どもに言った覚えがあります。
しかし子どもは母親が相当怒っていて、ちゃんと言われていることも分かっているのです。
だって、毎日同じことを言われますからね。
では、一体なぜ母親の言うことを素直に聞いて片付けないのでしょうか?
今回は子どもが片付けをしない理由や原因、そして子どもに片付けさせる方法などを紹介していきたいと思います!
子どもが片付けをしない理由や原因
まずは子どもが片付けをしない理由を片っ端から挙げてみましょう!
- 子ども自身が片付けることを、必要だと思っていない
- 片付けを面倒だと思っている
- 片付け方が分からない
- 出し過ぎて収拾が付かない
- ストレスが原因かも
- ママ(パパ)が、片付けが苦手、または嫌い
- 片付けられない症候群(発達障害)
…などなど。
よくよく考えれば分かるような内容ですが、改めて確認してみると様々な原因があることがわかりますね。
自分のお子さんはどれに当てはまるのか、日頃の言動を振り返りつつ考えてみましょう!
自分で片付けをしてもらうには?
上記の「子どもが片付けをしない理由や原因」の中に、「親の方にも原因があるのかも・・・」と思える理由を見つけました。
ここを解決できれば、子どもが劇的に変わるかもしれません!
また、もしかしたら複雑な原因があるかもしれませんので、その点もあわせて紹介しますね。
片付けができる様になる可能性がある場合
- 子ども自身が片付けることを、必要だと思っていない
母親が「片付けなさい!」といくら言っても、この場合は「片付けはしなくても良い」と思っているのです。
子どもが片付ける意味を理解していないから、いくら言われても「どうして?」で頭が一杯になっています。
- 片付けを面倒だと思っている
母親の「片付けなさい!」がうるさく聞こえて、片付け自体を「面倒で厄介なこと」と思っているのです。
子どもが少し成長するとママを上手く持ち上げて、代わりに片付けさせようと「作戦」を考えるかもしれません。
- 片付け方が分からない
子どもにとって母親の「片付けなさい」は「どの様にして良いか分からない」のに、結局「怒るばっかり」と思ってしまうのです。
子どもは、毎回の母親の「片付けなさい」を辛く感じて、オモチャで遊ばなくなるかもしれません。
- 出し過ぎて収拾が付かない
年齢に合うオモチャをその都度与え続けた結果、オモチャが増え過ぎてあるだけ出してしまい、気が付くと手に負えなくなっているのです。
大人でも身の丈以上のことには、焦ってしまうことってありますよね。
- ストレスが原因かも
子どもの世界の様々な悩みや、親子や兄弟などの悩みを抱えている場合、悩みの方が大きくて「片付けをする」ことが小さなことに思えて、やる気が起きないこともあるのです。
これは大人にもありますね。
仕事が忙し過ぎると、家のことが疎かになったりしていませんか?
また、最近では「スマートフォンの使い過ぎ」が脳のストレスとなることもあり、やる気や気力が損なわれることもあるのです。
早くから先端機器に慣れさせようと与えたことが、子どもによっては重荷になっていることもあるのです。
- 親が片付けが苦手、または嫌い
親の普段の姿や言葉を見聞きして生活している子どもが、「自分もママ(パパ)と同じで、片付けは苦手(嫌い)」と勝手に思ってしまう(決めつけてしまう)こともあります。
病気が隠れている場合
「片付けをしない」だけならどの家庭でもありえますが、もしかしたら子どもが何らかの病気を抱えているかもしれません。
病気の特徴も挙げましたので、我が子が当てはまっていないか確認をしてみてください。
- 発達障害
・ADHD(注意欠陥・多動性障害):多動的で衝動的なので、動きが活発。
・ADD(注意血管障害):不注意な部分が目立って、物忘れが多い。
- 統合失調症
陽性症状:妄想、幻覚、思考障害
陰性症状:喜怒哀楽が薄い、無口、意欲がない、自閉(自分の世界観のみ)
- うつ病
子どものうつ病が原因で、片付けられない症状もある様です。
- セルフネグレクト
自分自身や周りに関心を持たないので、何もしなくなってしまう様です。
- アスペルガー症候群
知的障害や言葉の未発達がないので発見されにくいです。
しかし、人と交流を持つことが苦手で想像力に乏しく、社会の中で折り合いをつけて生きていくことが上手くいかない場合が多いです。
ただ「子どもが片付けをしない!」とイライラするだけでなく、子どもの様子を観察してみましょう!
不安を感じた時は、親であるあなたが冷静に専門医を訪ねてみましょう!
上手に片付けを促す方法!
子どもが片付けをしない理由や原因もある程度は分かりましたね!
ということで、この章では「子どもに嫌がられずに片付けを促す方法」を紹介していきたいと思います!
オモチャを広げても良い場所(範囲)を決める
例えば、
「ラグや遠足シートなどで範囲を決めて、オモチャの量を調節する」
というアイデアがあります。
上記のように、「オモチャを出す量の目安」を作ってあげると良いでしょう!
出したオモチャの量が少なければ、片付けやすくなるものです。
成長に応じてオモチャを戻す場所を決める
- 取りあえず、1つの場所(一個所)に入れさせる
→大きな箱やカゴなど
- 大まかに2種類か3種類を分類させる
→段数の少ないラックや箱など
- オモチャ(車・絵本・形など)の名前を書いたラベルごとに入れさせる
→子ども用の収納スペースとして段数の多いラックやボックスなど
などのアイデアがあります。
年齢によって、片付けの難易度を調節してみましょう!
少ない量から始めさせる
- 片付けは、オモチャ1つから始める
- 徐々に片付けるオモチャの数を増やしていくが、決してママは焦らない
- いきなり片付けるオモチャを増やさない
などなど。
少ないオモチャで満足してくれる場合があります。
区切りとして片付ける時間を設ける
- 食事の前や寝る前など、1日の生活の中で何かをきっかけに「お片付けタイム」を作る
- 「あとで遊ぶ」と言い張っても、1回1回きれいにする(ケジメをつける)ことを教える
などなど、習慣を設けると良いですね!
言うことを聞かなくても怒らない
子どもの成長段階により作戦だと見破られてしまう場合もありますが、あえて怒らないことにより子どもには新鮮に思えて、効果が出る可能性があります。
初めは母親も手伝う
- 子どもと一緒に片付けることで、上手な片付けの方法を理解する
- 「いる物」「いらない物」「バザーに出す物」や「寄付する物」などに分けて、整理することを教える
お手本を見せてあげるのは基本ですね!
片付けている場面を見たら褒める
- 冷やかさない:「珍しいね~」や「やっとやる気になったのね~」など
- やって良かったと思える言葉をかける:「偉いね!」や「きれいになるね」など、
- 上手に出来ていなくても注文をつけたり、嫌味などは言わない
褒められて伸びる子は多いですね。
どこにどう片付けるか分かりやすく説明する
- 子どもには言っても分からないと諦めず、こまかな説明をする
- それが元の場所にないと困ることを説明する
- それをそのままにしておくと汚れることを説明する
- 片付いていると、次に遊ぶ時に直ぐ取り出せることを説明する
最初から説明を諦めていると子どもにも伝わりません。
「面倒だしな…」「言っても分からないかも…」と思わずに、まずはきちんと説明してみましょう!
片付けをしつける際のセリフ例文
片付ける際の言い方は迷ってしまいますよね。
言い方によっては逆にやる気をなくしてしまうかもしれませんし、うまいこと言い訳をされるかもしれません。
ということで、言い回しのジャンルを大まかに分けて紹介していきたいと思います!
我が子の性格などからどのように言えば伝わるか、判断してみてくださいね。
「外には楽しいことが待っている」編
- お片付けが終わってからお出かけしよう!
- 片付けたら、公園のブランコに乗りに行こう!
- 外はポカポカ良い天気だよ!片付けたらお散歩に行こう!
- 昨日お散歩で見たお花、今日は大きくなっているかな?お片付けしたら見に行こう!
あなたが手伝える様なら「ママも手伝うから!」という言葉を付け加えてあげると、子どもはもっとやる気を出してくれるでしょう!
「家の中に、次の楽しみが待っている」編
- 時計の針が12にきたらおやつの時間だよ、それまでに片付けてね!
- お片付けが終わったら、ご飯を食べようね!
- お片付けが終わったら、ママが紙芝居をしてあげるね!
子どもには、時間の概念がないかもしれません。
片付ける時間は長めに取ってあげましょう!
「子どもの競争心をくすぐる」編
- ママの○○を片付けるのと、どっちが早いか競争しよう!
- もうすぐパパが帰ってくるから、パパが帰るよりも早く片付けましょう!
子どもは勝てる競争が大好きなので、これも効果がありますよ!
競争は急ぐのでオモチャが壊れるかもしれません。
しかし、子どもにとって「壊れる」という経験も重要です。
子どもにしてみれば「壊れる=驚き」であるかもしれませんが、その子によっては「壊れる=動揺」かもしれません。
初めて壊した時は怒らないであげましょう!そして、オモチャ(大切な物)は、優しくそっと扱うことを教えてあげましょう!
「オモチャは生きている」編
- ほら、○○ちゃん(オモチャ)が、お家に帰りたがっているよ!
- みんなが眠いって言ってるよ、もう帰してあげましょう!
- 片付けてくれないと、オモチャ達が可哀想だよ
オモチャを収納している箱などを家に見立ててみましょう!
「ママのため」編
- 片付けてくれると、お部屋がきれいになってママが嬉しいなー
- 片付けてくれると、ママが掃除をしやすくて助かるよ!
- 片付けてくれたから、きれいになってママは気持ちが良いよ!
「ありがとう」この言葉は本当に気持ちの良い、聞き心地の良い響きです。
どんな場面のセリフを使っても、最後には必ず「片付けてくれて、ありがとう」と、感謝の言葉を添えましょう!
まとめ
3~4歳の子どもでは、好きなオモチャに夢中になって遊ぶことで集中力を養うことが出来ます。
ですが、その反面、夢中になって遊んでいるオモチャから気持ちを離すことは大変難しいことですよね。
ですから、「片付けられない」のではなく、「自分の力だけでは、気持ちを切り替えられない」と理解しましょう!
そんな時、ママに「片付けなさい」や「なぜ、片付けられないの」など、自分ではどうすることもできないのに…と、子どもも困惑してしまいます。
ですから、もしもついさっき見たオモチャが1つでも元あった場所に戻されていたら、「子ども自身が自分の気持ちに勝った証」だと思ってたくさん褒めてあげましょう!
「片付けること」には、私達大人でも集中することは難しい場合があります。
その証拠に、「整理をしていたら昔懐かしの○○を発見!そしてそのまま思い出の中へ…」なんてことがあるかと思います。
そんな時、ふと子どもの片付けない時の様子を思い出して、「私達の子どもの頃と同じだ」と思うことが出来れば、きっと子どもへの接し方も違ってくると思います。
子どもの「片付けをしない」というマイナス傾向ばかりに目を向けるのではなく「たまにでも、1つでも片付けた=整理出来たオモチャ」に見方を変えることで、ママのイライラも軽減されることでしょう!